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ザ・ベスト・オブ・山種コレクション「後期」 @山種美術館
先日の土曜日、ザ・ベスト・オブ・山種コレクション「後期」に行く。
大好きな東山魁夷の「年暮る」が展示されるとのこと。楽しみにして行きました。
気に入った絵を順にのせます。 (※画像は山種美術館のサイトよりお借りする)

(↓こちらはクリックで大きくなります)
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速水御舟 「翠苔緑芝(すいたいりょくしょう)」(1928/s3) 37歳

私の絵の鑑賞法は解説等はいっさい読みません。まず作品の前に立ち、自分の心にどう映り、どのように入り込んでくるかを心で感じます。一巡して心に残った絵は何度も何度も足を運び心と目にしっかりと焼き付けます。そこで気が向けば解説を読む。

まず目に入ったのが速水御舟 「翠苔緑芝(すいたいりょくしょう)」。
御舟は大好きな日本画家の一人。この絵が最初に目に飛び込んできたときゴーギャンが思い浮かびました。その時はまだ御舟の絵とは知らず、作家名を見てびっくり。モチーフの輪郭を描き平塗りしていく技法のゴーギャンと御舟がここでリンクするとは・・・。

ヨーロッパではジャポニズムがもてはやされていた時代。また日本にもフランスを中心にヨーロッパを代表する画家たちの絵が入っていたので、まったく影響がなかったともいえないのですが、この絵が私の知っている御舟のイメージではなかったことと、それがゴーギャンをイメージさせたという意外性が私の心を掴んだのだと思います。
しかし、日本画独特の間のとり方、そのバランスは本当に心地よく、いつまでも観ていたい絵です。

この隣にあった落合朗風の「エバ」(画像無し)も同じくゴーギャンを思わせる絵で、画面いっぱいに広がる瑞々しい緑の濃淡と構図はまるで洋画のよう。日本画と洋画のせめぎあいがこの時期にあったんだろなと思わせた絵。



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速水御舟 「炎舞」 (1925/T14) 31歳

こちらは、別室(御舟の部屋)に展示されていた「炎舞」。
速水御舟といえば「炎舞」というほど代表的で有名な絵。このエネルギーはただものではありません。つい先程まで作家が隣の部屋で描いていたのではと思うほど、緊迫したパワーに溢れていました。

御舟31歳の時の作品。こんな若くでこんなに円熟した絵と思いますが、41歳、夭折の画家人生からすると納得です。神は、短命に生きる人には、長く生きる人と同じ分の密な人生を歩かせるのだと思うから。

山種美術館は御舟のコレクションには定評がありますが、御舟ファンなら是非足を運んでいただきたい場所。
洋画でも同じことがいえるのですが、画家はある程度有名になると、画風が統一されるものなのに、御舟においては、展示されている全ての絵が個々に新鮮で、全てが生き生きとしていることは本当に驚きでした。
弟子になりたかった!(無理か・・・)



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横山操 「越路十景のうち 蒲原落雁(かんばららくがん)」 (1968/s43) 48歳

今回初めて見ました。荒涼とした雪原に枯れ木が連なるモノトーンの絵ですが、暗さはありません。力さえ湧き上がってきます。ずっと観ていると壮大な交響曲を聴いているような感覚になりました。曲はマーラーかショスタコービチ。



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高山辰雄 「坐す人」 (1972/s47) 60歳

高山辰雄氏、そのお人柄には憧憬の念さえ持っています。勿論お会いしたことはありません。(私の絵の先生は会った事があると言っていました)
絵から伝わる包容力は、今までも、そしてこれからも決して裏切られることはないと思います。
私が高山辰雄の絵を最初に観たのが、↓の「食べる」。(※こちらは今回は展示されていません)

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高山辰雄 「食べる」(1973) 61歳

小さな子どもが一人でお椀を抱えて食べている姿が真ん中に描かれているだけですが、切なく胸が痛くなりませんか?
画家はそこにある物や人物、風景(心象も含め)を描くのですが、魂に訴えかける絵を描ける人はそういません。



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東山魁夷 「年暮る」 (1968) 60歳

この絵については、昨年の暮れに書きましたので、そちらをご覧ください。
今回、本物の「年暮る」は、長い間会えなかった大好きな人と再会するような、そんな感覚でした。
東山ブルー・・・私の中では東山魁夷のブルーは数多く存在していて、これは湿気を含んだ抒情的な日本の青。


ここ2年ほど私の中では日本画ブーム。数年前まで日本画は敬遠していた部類なのに、何故こんなに心の深いところに入ってくるんだろうと考えると、年齢的なものもあるのでしょうが、私の中にある日本の原風景や美意識、または深層心理が解放される瞬間が心地いいのかなと思ったり。

そして、今回もう一つ意外な発見がありました。日本画と対峙しているときの感覚が交響曲を聴いている時のそれと同じ感覚だということ。これは長くなりそうなので、またいつか。


おまけの画像~ 長くなってごめんなさい。もう少し(笑)。
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今回、山種美術館へは自転車で行きました。駅から歩く距離を考えるとかえって真っ直ぐ自転車で走った方が近いのです。
坂道も多いので、今回は電動自転車です。電動自転車がこんなに快適だったなんて!
スイスイ~楽チ~ン。 自転車愛好家の皆さんには怒られそうですが・・・
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by soleiljap | 2012-02-02 23:03 | ◇ 美 術 | Trackback
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