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ろうそく能 @めぐろパーシモンホール
日曜日、家族4人で “能” を見に行ってきました。
こちらは予約が一年前だったので、本当に待ち遠しく、やっと、8月5日にその日を迎えることができほっとしています。また、子どもたちにとって、能は初めての経験で、どんな感想をもってくれるか、とても興味がありました。

普段は能楽堂で行われる演目が、今回はコンサートホールで。
最初、「ろうそく能」という文字をみた時、屋外で行われる「薪能」のように、「ろうそく能」も月明かりの中ろうそくを灯して演じられるのかなと思っておりました。

↓ めぐろパーシモンホールの大ホール。(写真は入口から撮影)
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ステージの上に能舞台が作られ、舞台の周りにはろうそくに見立てた照明がありました。
能の舞台が浮き立って見えますよね。暗幕の効果大。橋掛かりや大小3本の松が設置され、能舞台にはなっていますが、柱はなく、天井はどこまでも高く、ここに立つ演者にとって、この空間はどんな感じなのでしょう。


ちなみにこちらが能楽堂(昨年撮影)
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国立能楽堂(千駄ヶ谷)           宝生能楽堂(水道橋)


能楽堂の収容人数は多いところでも500人程。 コンサートホールで行うことで、収容人数は倍以上になり、良い作品を沢山の人が一同に観られるいい機会なのでしょう。
また、コンサートホールなので音響がとてもいいです。天井が高く、音の伸びがありいつもと違う雰囲気だったことは確かです。

今から600年前、14世紀の日本で電気など勿論ない時代、ろうそくの灯だけで能を舞う、そんな幻想的な能もまた観てみたいものです。



演目は、狂言が 『末広かり』   能が 『石橋(しゃっきょう)』。

狂言師の野村万作氏(人間国宝)と野村萬斎さんの共演は、これまで何度も観てまいりましたが、回を重ねるごとにお二人の品格のある佇まいに感動。熱烈なファンなのです。

能の『石橋(しゃっきょう)』は今回初めて。紅白4匹の獅子が満開の牡丹に舞う姿は、壮麗で胸の空く思いです。昨年から見てきた演目が、重いテーマばかりだったので、今回のような華やかな謡いや舞いもいいものですね。


さて、子どもたちにとっては、今回が初めての能楽観賞でした。7列目の真ん中でとてもいい席だったので、寝たら起こそうと思っていましたが、最後までしっかりと興味深く観ていました。

狂言はセリフも分かりやすいのですが、古典や神話がベースになっている能は始まる前にあらすじを把握しておかないと、まったく分からないままで終わってしまいます。(なので、始まる前の演目の解説は嬉しいです)

能も狂言もテーマは人間の喜怒哀楽。すべてを笑いで表現する狂言に対して、能はあくまでもシリアスに心の中を描き演じられます。息子もそのことを言っていました。

華美な舞台装置も、派手な演出もない、ただ静かに舞い謡う能楽。 無駄をそぎ落とした動きや舞台には、観る側の想像力が大いに求められるのです。 まさにそこは幽玄の世界。

帰りのタクシーの中で、子どもたちに「また行きたい?」というと、二人とも「行ってみたい」と返事が返ってきました。(嬉しい)


PS  私が初めて能楽というものに触れたのが、娘と同じ年齢の18、9歳の時でした。その話はまた書きます。
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by soleiljap | 2012-08-07 00:33
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