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炒り豆腐
食べ物には、幼い頃のアルバムをめくる懐かしさがあります。

遠い昔、友だちと時間を忘れて遊んだ日、あかね色に染まった街に、どこからともなく聞こえてきたのが、お豆腐売りのラッパの音。大人になってもこの音を聞くと、その時の空気まで思い出す。
路地に面した台所からひびいてくる、トントントンとまな板を叩く音や、鼻をくすぐるような甘いお味噌汁の匂い。 そして、この匂いがしてくると、何故か急いで家に帰りたくなった、カレーの匂い・・・・。

時代が少しずつ移り、コンクリートのビルが建ちならぶ都会の夕暮れ時に、まな板を叩く音も、お味噌汁やカレーライスの匂いもしなくなったけれど、それでもちょっと足を運んで商店街に行くと、路地から出てくる割烹着を着たおばあちゃんの姿にほんわかし、心が温かくなるのです。

買物帰り、ふと届いてくる匂いに、娘が、「あ、シチュー!?玉葱の甘い匂いするね」 と言ったりするのを聞くと、今も昔も、夕刻のその営みは変わらず、何十年たとうが、その感覚は子どもたちの心の中にしっかりと染み込んでいくのだと実感して嬉しくなる。

子どもたちが大人になって、どんなことで何を懐かしく思うのかは全く分からないけれど、母として思うことは、アルバムをめくるとそこに必ずお母さんの味があり、その味はお母さんのそのまたお母さんの味だったことを思い出してくれたら嬉しい。



a0029889_13321346.jpg先日、大根を煮ながら思い出した母の「炒り豆腐」。
懐かしい思い出のアルバムの中にあったこの料理は、実は子どもの頃はあまり好きではなかった。

母の炒り豆腐には、大根、人参、椎茸、こんにゃく、そして豆腐が入っていて、その具材といい、味付けといい、子どもの味覚には、地味ではっきりしない味で、ある時、続けて出たことがあって、「また~?!」なんて文句を言ったのを覚えています。

月日がたち、いつのまにか好きになっていた炒り豆腐、私の子ども達は文句言わずに食べてくれますが、もしや嫌いなのかな・・・。

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今回冷蔵庫にあったあり合わせで作ったら、お豆腐が少なかったです。椎茸の優しい香りと出し汁が、なんてほっとする味なんでしょう。大人の味です。(笑) 

大人になると味覚が変わるという話しをよくするのですが、それはきっと幼い頃食べた味がベースになっていて、無意識のうちにその時味わった味覚に戻っていくのかな、と思ったり。





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骨董品が好きで、といってもお高いものは買いませんが、結婚前は良く骨董品屋ブラブラと回ってお気に入りの皿やグラスを見つけては買ったものです。子どもができてからはまったく遠のいてしまったけれど、また行きたい(見たい)病がフツフツと・・・。

a0029889_11343836.jpg以前“先人の知恵”で載せた器も昔買ったもの。こちらも何処で買ったのか思い出せません。(苦笑)

2枚とも構図は同じでも、木や鳥の絵が微妙に違っていて、手描きの味わいがでています。
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by soleiljap | 2005-12-19 16:01 | *私の料理考・お菓子考・○○考 | Trackback(1)
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Tracked from 小さいしあわせ at 2005-12-28 21:05
タイトル : 炒り豆腐
「食べ物には幼い頃のアルバムをめくる懐かしさがあります。」と書いていたのはsoleil(ソレイユ)さん。 彼女の記事を読んで、そう、炒り豆腐!と頭の中でぱちんと弾けた感じ。 結婚してまだ間もない頃(ウチはなぜかすでに息子がいました^^;)、離乳食と兼用になるし…と思って何度か作った記憶があるのですが、あまりウケず、その後何度か作ってはみたものの、やっぱりオットも息子もイマイチの反応。 いつの間にか封印された献立。 封印、解いてみました。 わたしの実家では大根は入ってなかっ...... more
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