カテゴリ:◇ 風 景( 92 )
山篭り・・・つづき
2泊3日の旅を終え、玄関に入ってきた彼の顔を見た時、愕然とした。頬はこけ、ズボンはダブダブ、ベルトの穴を2つか3つ開けねばならないくらいにやつれ細っていたからだ。しかし表情はその外見を裏切るようにいたって晴れやかであり、帰宅第一声の『ただいま』の声は、3日前までの疲れた『ただいま』ではなく張りのある声だった。

やはり懺悔しにいったのか?食べ物も喉を通らないほど悪いことをしていたのだろうか・・・改心の念はこれほど人間をかえるのだろうか・・・・帰依か、はたまた神へのいざないか。

欲望うごめく都会の雑踏から逃れ、遠く離れた人里少ない山の中をあえて選び、髪をそり落とし、白装束に身を包み、暑夏とはいえ水温10度の水は冷たかろう。高さ20メートルから落ちてくる滝に打たれ、身を凍らせながらの懺悔はこれほどまでに一人の男を清清しい顔にするのであろうか・・・・・・


というのは冗談で、真面目にお話すると、この旅行の目的は、断食道場が主催する、断食しながら心身をリフレッシュさせる楽しい旅行なのです。
どこまでも広がる緑の高原を散歩したり、本を読んだり、時間の制約も無い、電話もない、煩雑な人間関係もない。天国のような静かな場所で、日ごろの疲れを癒し、生気を取り戻すものだったのです。身体をすっきりさせるために、朝と夜の食事がりんご一個とジュースだけ。あとは自由に過ごす。宗教的なものは一切無く、だだ癒しが目的のツアーのようです。人よんで断食ツアー。

スマートになっていました。行く前にメージャーでウエストを計ってたようですが、77cmの胴回りがマイナス7cm、体重も3Kg近く減ったとか。
帰る朝、おかゆとお味噌汁とお漬物が出されたそうで、その味に偉く感動していました。美味しくないはずがありませんよね。丸二日ほとんど食べてないのですから。


自分だけいい思いをするか?!私だってたまには、おさんどんから解放されたいわよ!
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by soleiljap | 2004-07-12 16:29 | ◇ 風 景 | Trackback
山ごもり・・・
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昨夜から夫が留守です。
昨日、家族と朝食をとりながら、『今日から二泊三日の山篭りね、懺悔するのにいい音楽あるわよ。バッハの・・・』と私がいうと
『懺悔じゃないよ・・・ でも、ちょっとそれ聴かせて、どんな曲?』
私は大好きなグールドの“ゴルドベルグ変奏曲”を手にしたけれど、同じ曲でチェンバロ演奏をかけた。なぜピアノ曲をかけなかったかというと、ただ大切なグールドのCDを持っていかせたくなかったから。
  
暫く聴いていた夫が、結局家から持っていったのは、リチャードクレーダーマンのベストヒット集。
あと会社にあるの自分のCDを数枚。想像するに、BGMで聴くような平たい曲やクラシックはベートーベンの“皇帝”あたりかと思われる。



きのうの夕方、旅先から電話があった。山は気温20度、眼前には一面緑の高原以外何もないと言っていた。仕事の電話やコンクリートの生活から開放されたのだろう、嬉しそうな声だ。外からだったのだろう、夕立がきたので部屋に入るといって電話は切れた。

日々仕事に忙殺されそうな時、山に行きたいなー、と切実に叫んでいる彼を見ながら、たまにはのんびりさせてあげたいとも思う。
先日、『今度の週末二泊三日で山に行ってくる。』 そう言われた時にも、
そうね、ちょっとのんびりさせてあげたいわね、と心で思いつつ、『世俗の中で煩悩にあえぎながら、悪い事もたくさんしてきたでしょう? 懺悔は神聖な場所でするのが一番いいわ。』 と冗談まじりで返した私。
『懺悔なんてないよ!』 となぜかムキになってた夫。

とにかく緑に囲まれた澄んだ空気の中で、仕事を離れて過ごすのはとても大切な事。

しかし、仕事用のノートパソコンが見当たらない。のんびりしたいな、言ってはずなんだけど…


後でわかったことだけど、この旅にはもう一つの隠された目的があったのです。

(つづく)
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by soleiljap | 2004-07-10 14:50 | ◇ 風 景 | Trackback