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一日一生
意識が睡魔に引っ張られていく感覚は何とも心地いいもので、雨の音を聞きながら、本を持ったまま爆睡。
久しぶりに雨を見たような気がします。視界のない空をみながら、木や草花が喜んでいるだろうなとニンマリ。

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「一日一生」と「花さき山」を読み直しています。

この本は、村木厚子さんの紹介本で、つい最近、氏が厚労省の局長に復帰するというニュースを聞き再読。

『花さき山』は娘にも読ませました。読み終わった彼女は、今まで読んだ絵本の中で一番良かった・・・としんみりと言っていました。


『一日一生』、一日を一生と思い精一杯生きる。精一杯生きてもし失敗したら、一生懸命反省して、明日生まれ変わればいい。
そう語っているは、比叡山の僧侶、酒井雄哉(さかいゆうさい)師。千日回峰行を二回も成し遂げた天台宗大阿闍梨(だいあじゃり)さんです。

千日回峰行は、比叡山中を1000日かけて回峰巡拝する天台宗独特の修行法で、織田信長が比叡山を焼き払ってから400年もの間、この行を2回成し遂げたのはわずか3名だそうです。
それほど過酷な行で、しかも一度「行」に出たら挫折は許されず、いつでもその場で自害できるように、肩には死出紐(しでひも)、腰に宝剣といういでたちなのだそうです。

そんな方なので、どれほど厳しいお坊さんなのかと思うと、それが違うのです。本を読みすすめていくと、いつの間にか優しさに包まれて穏やかな自分がいる。

何度読んでも、あらたに気づかされます。いつ読んでもそれは終わりがなく続くのだろうと思うと、決して手放したくない本。酒井雄哉(さかいゆうさい)師も言っているように、「自分なりに腑に落ちると、人はそこで考えることを止めてしまう、答えが分からないからいつまでも考える。肝心なことは答えではなく、考え続けることなんだ」と。


人は森羅万象、自然の中で生かされ助けられています。自然の中で人間が支配できるものは何も無いはず。人間が勘違いしたときに大きな過ちが生まれます。
戦争・・・そんなことも頭をよぎる今回の領土問題。物質からは決して答えは見出せない。
資源があると知ると急に領土権を主張、そんなことさせるかと国有化。貧富の差にあえぐ国民は暴徒化し、気に入らぬものを壊す暴れる。

「仏さんは人間がたわいない子どもみたいな言いっこしているのを見て『知ったかぶりしおって』とあきれているかもしれないよ」
酒井雄哉師の言葉は、今の政治家や当事者たちの耳には届いていかないのだろうと思うと悲しい。
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by soleiljap | 2012-09-19 16:52 | ◇ 本
マリーローランサンとその時代展 つづき
前回のつづき

構成は、1章がマリーローランサンの絵、2章、3章がその時代(エコールドパリ)に活躍した画家たちの作品群でした。 (3章は日本人だけの絵)

昨日、マリーローランサンについて書いたので、今日は同じ時代に活躍した画家の絵についてです。

その前に、私の絵の観賞法ですが、以前ブログに書いたのですが、もう一つあって、それは、絵の中で一枚だけ自分の部屋に飾りたいとしたらどの絵を選ぶ?ということ。 

後世に残る絵(芸術)というものは、次元を超え人智を超えたところの何かに選ばれし絵であり、かつ、それらは未来永劫光を失うことなく輝き続けるだろうし、そのパワーたるや、時には動けなくなるくらいのものもあります。

そんなスゴイ作品の中から一枚だけ選ぶなんて難しいのですが、直観です。その時々で違う心の状態や体調、そして、何を求めているかで、自然と見えてくるものです。

さて、そんな中で、今回私の心を射止めた絵が下の一枚、いや2枚です。

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キース・ヴァン・ドンゲン『腰かける婦人』 (1925-30)

大きな絵でした。私が知るドンゲンの絵は極端にデフォルメされて、個人的には好きな方ではなかったのですが、こちらの絵は、かなり離れた場所から気になる存在で、ひき付けられるように足が止まり、暫く見入ってしまいました。
画像なので色が劣り残念です。是非実物をみて欲しいです。

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佐伯祐三 『扉』 (1928)

大好きな画家です。この人の絵にはゴッホに通じるものがあります。内面から湧き出る、観る者の心をぐらぐらと揺さぶるようなエネルギー。心も身体も病み、30歳という若さで夭折した事をおもうと、またゴッホと重ねてしまうのは私だけではないと思います。
飽くなき探求心と身を削るまでの努力、本物の芸術家とは、彼のような人を言うのでしょう。

やはり画像だと全然迫力が違う。扉はもっと深いグリーンです。小さい絵ですが、実物は佐伯祐三の息遣いや筆さばきが伝わる鬼気迫るものでした。



他にも気になる絵は沢山ありましたが、もう二枚ほど。(画像が見つからないので画像なしで!)

● 荻須高徳の「中庭」(1964)もよかった。
荻須は佐伯(敬称略)を尊敬、傾倒し、パリでは佐伯の横にキャンバスを並べ描いていたというくらいですから、絵も似ています。


● また、今回嬉しかったのが、三岸節子の花以外の絵を観ることができたこと。5作品展示されていました。

三岸節子の絵は、デフォルメ&厚塗りというイメージですが、初期のものでマティスのような室内をモチーフにした絵は色鮮やかにサラッと描かれており、他の人物が入った絵も私にとってはとても新鮮でした。
最後に掛けてあった、「イル・サンルイの秋」(82歳の時の作品)は、これぞ三岸節子の真骨頂!ともいうべき、無駄をそぎ落とした極限のデフォルメ&圧塗りで、82の女性とは思えぬほどの迫力で圧巻でした。

(追記)
● ユトリロと彼の母、シュザンヌ・ヴァラドンの絵もありました。奔放な性格がそのまま絵に投影さた力強い絵は、哀愁ただよう繊細なユトリロとは対照的。同時に観れたのは幸せです。
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シュザンヌ・ヴァラドン 「座る裸婦」1921

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ユトリロ 「オニヴァルのムーラン・ド・ピエール、ソンム」 1913年頃
今回展示されていたユトリロの絵。 “白の時代” の色合いからは離れた絵だと思うのですが、安定した精神で描いたんだなという印象をうけました。だからか、とても静かで魅力的な絵でした。



今回の展覧会は全部で90作品ほどで、深くじっくり観る私にとっては、いい量感だったように思います。(大きな展覧会では観終わる頃にはへろへろなのです・・・笑)
そして、ブログを書きながら思ったことですが、一昨日脳裏に焼き付けた素晴らしい生の絵が、WEB画像によって、デジタル色に上書きされてしまいそうで怖い・・・(笑)。 また、生の絵を観に行きたい、そんな気持ち。
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by soleiljap | 2012-09-11 10:04 | ◇ 美 術
レオナルド・ダ・ヴィンチ  ほつれ髪の女
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最近の時間の速さに焦りさえ感じます。

昨年の大地震の後、NASAが発表した地球の自転が1000万分の16秒速まっているという事実から、物理的にも当たり前のことなのですが、そんな数字ではなく、もっと速い速度で自転しているのでは、と思ってしまう。

そんなことを思いながら一日を過ごすのも悪くはないのですが、それでは、あっという間に動けないおばあさんになってしまう! 
人生健康で生きられる年齢を80として(80までは元気に生きるつもりで)、その折り返し点はとうに過ぎた私、残りの時間をどれだけ人のために生きれるか、そんなことを考えるようになってきました。


先日観に行った、「レオナルド・ダ・ヴィンチ ほつれ髪の女」 
弟子の描いた絵を含めるとそれなりの数でしたが、レオナルド・ダ・ヴィンチを尊敬する私としては、もっと観たかった。
「ほつれ髪」日本初上陸の展覧会なので仕方ないか。模写だけでもすごい数、いかにダ・ヴィンチが偉大だったか分かります。
そして、これからもその輝きは失わないでしょう。 
レオナルド・ダ・ヴィンチは宇宙の財産です。
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by soleiljap | 2012-09-10 17:16 | ◇ 美 術
マリー・ローランサンとその時代展@ニューオータニ美術館 (※追記あり)
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本日、娘とニューオータニ美術館で開催中のマリー・ローランサンとその時代展に行ってきました。


マリーローランサンの柔らかいパステルの色合いと流れるような線は、いつ見ても優しい気持ちになれます。
彼女の絵を最初に見たのは20代の頃、その時は、柔らかい色調にうっとりしたものですが、今回は、ちょっと違う角度で観ることができたような気がします。

入口を入ってまず目に飛びこんだ、「三人の若い女」(1953)。
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こちらは亡くなる3年前の作品。アポリネールとの別離から、その後の彼女の人生を知ると、画家として決して幸せな時期ではなかったはずです。(マリーローランサンについてはこちらに書いてあります)

それでも変わらぬ夢みる色で描いていたことを思うと、そこに、どんな思いが込められていたのでしょう。

アポリネールとの恋、別れ、絶望、そして、悲しい晩年、それでも彼女はずっと終始変わらない色で描いているのですよね。
どんな時であっても、常にそのスタイルを変えなかった事を思うと、絵の中に、常にアポリネールとともに昇華していったあの時代をみていたのだろうかと思ってしまうのです。

マリーローランサンの生きざまに触れ、彼女の絵を見ていくと、途中展示されていたかつての恋人アポリネールの詩「ミラボー橋」がなんと切なく心に響いてくることか。



そして、今回のもう一つの発見、
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キュビズムを試みた絵が数点あったこと。絵は「優雅な舞踏会」(1913頃)
誰もが一度は描く(試みる)キュビズム、ピカソやブラックと時代を共にした画家達の必然の成り行きなのでしょう。
ピカソを描いたポートレートもあり、特徴を捕らえていて、すぐにピカソだと分かりました。


後半に展示されていた作品は、エコールドパリ時代の錚々たる画家たちの絵。すべてが私にとって、嬉しくて驚き(感動)の連続でした。
佐伯祐三やフジタ、小磯良平、三岸節子・・・ また、ルオー、ドンゲン、キスリング・・・・
ひとつひとつ挙げて、書きたいのですが、100ページでは足りないので、「素晴らしかった!」だけでとめておきます。^^ ※ 時間を見つけてまた記します。




今回、絵の前に少し腹ごしらえにと入った、ニューオータニのガーデンラウンジのサンドウィッチ&スイーツビュッフェ。
日本庭園を眼下に、娘と二人で美味しい時間を過ごしました。朝からサークルに出かけていた娘には御の字のビュッフェだったようで、ホントに沢山たべていました。
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美味しいものと芸術、何より心の栄養となりました♪^^

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つづき
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by soleiljap | 2012-09-09 23:58 | ◇ 美 術
感動をありがとう (遅ればせながらですが・・・)
8月の終わり「24時間TV」で石巻好文館高校吹奏楽部の演奏が放映されました。

オンタイムで見ることができなかったのですが、娘が録画していてくれました。


YouTubeにありましたので、お借りしました(載せてくださった方に感謝)。


地震と津波で楽器や練習する場所も失い、全国からの励ましやおくられてきた楽器で今は立ち直り、頑張っている姿を、演奏を通して全国の人に伝えたかったとのこと。
指揮は「嵐」の松潤、指揮の指導を私の大好きな佐渡裕氏。
佐渡氏の「指揮台に立つということ」の意味が画面を通してビシビシと伝わってきて、松潤の緊張した顔もとても印象的でした。きっと、想像を超える練習時間があったのでしょう。

佐渡氏の見守る中での本番。最初から本当に素晴らしい演奏でした。
佐渡氏が『この棒は振る人によっては魔法の杖にもなる!』と言っていたように、指揮者と部員の想いが一つになり、部員達の「ありがとう」の想いは確かに全国に届きました。
私も涙が溢れて止まりませんでした。



録画を観終わってから、中高と吹奏楽部だった娘に、もう一度演奏したいでしょうと聞くと、
「戻れるのなら、高校の吹奏楽部に戻りたい!!」と即答。
寝食を共にし、仲間と力をあわせて作り上げた演奏の日々はかけがえのない想い出ですよね。


石巻好文館高校吹奏楽部の皆さん、そして、松潤、素晴らしい演奏をありがとう!
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by soleiljap | 2012-09-03 15:21 | ◇ 音 楽