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エフゲニー・キーシン @サントリー・ホール

ただ音を聴くという目的なら、演奏家は一人でいいはずである。
古今東西、星の数ほどピアニストはいるけれど、世界の頂点に立ち、その位置を不動のものにし、常にキラ星のごとく輝き続ける演奏家はそうはいない。

昨夜(19日)、エフゲニー・キーシンのリサイタルに、友人と娘さんの三人で行ってきました。

初めて、キーシンの姿を(YouTubeで)見た時の衝撃は今でも忘れることができません。モスクワで12歳でデビュー。以来、彼の演奏を生で聴くことが、私の人生の中での一つの夢でもあったわけで、それが昨日現実のものとなったのです。

友人がとってくれた席は前から3列目のちょうど真ん中。キーシンの表情が良く見えるS席です。(感謝)
開場とともに席は埋め尽くされ、この不景気にサントリーホールを満席に出来るなんてと驚いている間に、普段なら誰も座らない端っこの席も、1,2階ともにあっという間に埋め尽くされました。

曲は前半に大曲(プロコフィエフ)が二つ。
ステージに出てきたキーシンはあの天使のような12歳の頃の面影はなく(当たり前ですね)、今年38歳になる彼はすっかり青年?の姿になっていました。ミーハーな私は昔の映像を思い起こしながら、ピアノへ向かう彼の姿を目で追っていました。
そして、すぐにキーシンの凄さを知ることになるのです。ピアノの前に座るや否や、彼の集中力の凄さ。
演奏が始まると同時に観客はすでに彼の世界にひき込まれ、彼のパワフルでゆるぎない音は聴くものを圧倒させ、その技巧的な指の動きからもう目が離せなくなるのです。

2曲目のピアノ・ソナタ第8番「戦争ソナタ」が終わると、それまで張り詰めていたホールの空気が一瞬に解放され、客席から「おぉぉ」とか、「うわぁぁ」という溜め息とも唸り声ともつかぬ声がもれ、と同時に地響きのような拍手が開場を包み込みました。客席とステージの距離をこんなに密に感じたのは初めてかもしれない。この時点で、胸もお腹一杯になるほどの満足感。

後半は、オール ショパンの曲。

客席にいた全ての人が彼の世界にいたのは言うまでもありません。
アンコールは7曲。観客はほとんどがスタンディング・オベーション。演奏が全て終わったのが22時を過ぎていました。
これまで沢山のピアノをサントリーホールで聴きましたが、これほどピアニストがピアノを、いや音を操ってるという感覚は今までなかったのです。あの大きなホールが小さく感じられたほどです。

キーシンのピアノが好きでない人も、一度は聴いてみるのもいいのではと思った。それほど、衝撃と感動を与えるピアニストだと思います。

【プログラム】

 プロコフィエフ: 
  バレエ「ロミオとジュリエット」からの10の小品Op.75より
      少女ジュリエット、マキューシオ 、モンタギュー家とキャピレット家

  ピアノ・ソナタ第8番「戦争ソナタ」Op.84 

         ********
ショパン:
  幻想ポロネーズOp.61
  マズルカ Op.30-4、41-4、59-1
  12の練習曲 
    Op.10より 第1番ハ長調,  第2番イ短調,  第3番ホ長調 「別れの曲」
      第4番嬰ハ短調, 第12番ハ短調 「革命」
    Op.25より 第5番ホ短調,  第6番嬰ト短調, 第11番イ短調 「木枯らし」



【追記】 アンコールは
 ・ショパン:ノクターン8番変ニ長調 Op.27-2
 ・プロコフィエフ:4つの小品Op.4より「悪魔的暗示」
 ・プロコフィエフ:歌劇3つのオレンジの恋より「行進曲」
 ・ショパン:マズルカ第47番イ短調 Op.68-2
・ショパン:ワルツ第6番変ニ長調「小犬のワルツ」
 ・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調第3楽章「トルコ行進曲」
 ・ショパン:ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2


さて、5月はフジコ・ヘミングのリサイタルです。こちらも楽しみ!
by soleiljap | 2009-04-20 23:13 | ◇ 音 楽
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